研究課題/領域番号 |
19580010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 貞二 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70155844)
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研究分担者 |
後藤 雄佐 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (80122919)
中嶋 孝幸 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80241553)
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キーワード | イネ / 穎果 / 登熟 / 弱勢 / source / sink比 / sink capacity |
研究概要 |
sink capacityが高い夢あおば、べこあおば、ふくひびき、NPT(New Plant Type第2世代),弱勢な穎果の初期成長が遅延しやすいササニシキ、反対に遅延しにくい92133(中国江蘇省)、ほとんどの穎果が1次枝梗着生で1穂穎花数が少ない奥羽飼403号の計7品種(系統)を用い、出穂前7日間の75%遮光処理と出穂後の50%遮光処理を組み合わせて計4処理区を設け、source/sink比の低下(遮光処理)による穎果の初期成長遅延および登熟悪化、さらにそれらの品種(系統)間差を明らかにすることを試みた。 出穂前遮光により全ての品種(系統)で茎葉の出穂前貯蔵炭水化物が低下し、登熟歩合も低下する傾向が認められたが、茎葉の出穂前貯蔵炭水化物が高い品種(系統)の登熟歩合が高くなる傾向は認められなかった。出穂後の遮光によりふくひびき、ササニシキ、夢あおばにおいて弱勢な穎果のStage A(開花日)からStage H(穎果の幅が籾殻の幅の半分に達した日)までの初期成長が遅延し、1穂全体の登熟歩合は大きく低下したが、べこあおば、92133、奥羽飼403号ではその初期成長の遅延はごくわずかで、登熟歩合の低下もわずかであった。つまり、弱勢な穎果の初期成長が遅延しやすい品種(系統)ほど1穂全体の登熟歩合も低下しやすいことが示された。以上より、sink capacityの高いイネについても、とくに弱勢な穎果の初期成長が遅延しにくい性質が登熟にとって非常に重要であり、べこあおばはsink capacityが高いうえに、弱勢な穎果の初期成長が遅延しにくく、登熟も悪化しにくいすぐれた登熟特性を持つ品種であることが示された.
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