| 研究概要 |
イネにおける弱勢な穎果は,強勢な穎果よりも登熟優先度が低く,初期成長が遅延し登熟が悪化し易い.また,登熟優先度調節の強さには遺伝的差異があり,弱勢な穎果の初期生長が遅延しにくい、すなわち登熟優先度調節が弱い品種が存在する.一方,sink capacityを高めた超多収の可能性がある品種(系統)が最近数多く作り出された.本研究では,これらについて,その登熟優先度調節系を植物ホルモンの面から,穎果のデンプン蓄積機構を光合成産物の面から明らかにする.そして,sink capacityの確保の仕方,光合成産物供給,登熟期の光条件など様々な状態を想定し,登熟優先度調節系が登熟に及ぼす影響を整理し,近未来に育成が望まれる超多収イネの理想的登熟特性を明らかにする.
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