研究課題
70μMアブシジン酸を含む培地で発芽してきたミヤコグサの変異体、NO.12の詳細な表現型解析をおこなった。その結果、この変異体は野生型よりも有為に多くの根粒を形成し、個体当たりの窒素固定能は野生型の2倍以上に達していた。次にこの変異体を野生型ミヤコグサMiyakojimaMG20と交配し、F1世代およびF2世代の表現型を解析した。その結果、F1世代での根粒数や窒素固定活性は、野生型とFO世代とのほぼ中間であった。このことからこの変異の遺伝様式は、不完全優勢であると考えられた。また、野生型ミヤニグサGifu B129との交配をおこない、そのF2世代の表現型解析結果をもとに個体を選抜し、SSRマーカーを用いて原因遺伝子座のラフマッピングをおこなった。そして現在その情報をもとにファインマッピングをおこなっている。一方、同様の方法論をダイズに適用しスクリーニングした変異系統の表現型解析をおこなった。X線照射によって変異を導入したBayから選抜した15系統について、実験室内で根粒着生試験をおこなった。ポッドにバーミキュライトを充填しB&D液体培地を与えダイズ根粒菌Bradyrhizobium japonicum USDA110を接種した。根粒菌接種後1ケ月では、いくつかの系統において野性型と比較して有意に高い窒素固定活性を示した。これらの系統については、佐賀大学農学部の圃場で生育調査を行った。変異系統の中には野性型よりも種子の収量(全重量)が高い系統もみられた。この試験については次年度も継続しておこなう必要がある。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Journal of Plant Research 121
ページ: 245-249
DNA Research 14
ページ: 117-133
Plant Production Science 10
ページ: 372-379