シンビジウムを25-30℃の高温ストレス下で生育すると花芽が壊死する。これを避けるために、シンビジウム生産者は植物体を標高1,000メートル程度の高い山に避暑させる。これを山上げ栽培といい、生産者にとっては重労働である。高温ストレス下でCyNAC1遺伝子の発現レベルが顕著に高まった。CyNAC1遺伝子を過剰発現させたトマトとシロイヌナズナでは顕著な生育障害が見られたことから、CyNAC1遺伝子は高温ストレス下で、他の遺伝子群の発現を制御しつつ、シンビジウム花芽の壊死を促進する役割を担っていると考えられた。
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