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2007 年度 実績報告書

東北地方より収集したナシ遺伝資源の評価と利用

研究課題

研究課題/領域番号 19580031
研究機関神戸大学

研究代表者

片山 寛則  神戸大学, 農学研究科, 講師 (50294202)

研究分担者 菅原 悦子  岩手大学, 教育学部, 教授 (70122918)
植松 千代美  大阪市立大学大学院, 理学研究科, 講師 (30232789)
池谷 裕幸  独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所, 上席研究員 (10391468)
キーワード梨 / 香り / イワテヤマナシ / 在来品種 / 評価と利用 / エステル / 加工特性 / 遺伝資源
研究概要

在来品種の有用形質評価(香気成分、加工特性、早晩性)
(1) 香気成分評価イワテヤマナシ由来の在来品種とされるサネナシ、ナツナシの果実全体と果皮における香気寄与成分をTenax-TAによるカラム濃縮法により単離してAEDA法で分析した。幸水やラフランスと比べサネナシの香気寄与成分は2倍近い116種類が検出された。特に寄与度の高い成分(FD=>32)は18種類存在し11種類同定された。エステル類の中でMe thyl 2-methylbutanoate以外は全てエチルエステルであり濃度も高かった。Me thyl 2-methylbutanoateは香りの閾値が低くサネナシのフルーティーな香りに強い影響を与えていると考えられた。またナツナシでもエチルエステル類の寄与度が高かった。既存の栽培品種と比べサネナシ、ナツナシは閾値の低い香りの強いエステルが存在し、量も多かった。その他、寄与度の高い物質では芳香族化合物の2-phenylethanolやKI=2170の未同定物質も見つかり、精製、同定中である。
(2) 加工特性評価栽培ナシとは異なる観点から加工特性に優れたナシを評価、選抜する目的で、果実のpH、HPLCによる糖の定性、定量を行った。'ナツナシ'はpH2.8と極端に酸度が高かった。酸度の高いナシ果実を持つ個体のうち、ナシピューレや芳香果実によるフレッシュジュースに適した約21個体を一次選抜した。
(3) 早晩性の評価重要な農業形質である早晩性を収集個体で調査するため、ナツナシを含めた33個体を高接ぎした。ナツナシは兵庫県で7月20日に完熟し極早生だった。多くの収集個体は中〜晩生だった。とりわけ12月上旬に熟する個体も見つかった。
(4) 異所で収集され同名異種の可能性があるナツナシ5個体の識別をSSRマーカーを用いて行った。形態形質では区別できなかったがDNAマーカーでは全て識別され、遺伝的に異なる個体であった。その他の同名異種の個体を調査中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A wide range of genetic diversity in pear(Pyrus ussuriensis var. aromatica)genetic resources from Iwate, Japan revealed by SSR and chloroplast DNA markers2007

    • 著者名/発表者名
      Katayama H, S. Adachi, T. Yamamoto, and C. Uematsu
    • 雑誌名

      Genetic Resources and Crop Evolution 54

      ページ: 1573-1585

    • 査読あり
  • [学会発表] イワテヤマナシに象徴されるナシゲノムの特殊性2008

    • 著者名/発表者名
      片山寛則
    • 学会等名
      園芸学会小集会(ナシゲノム研究の発展と展望)
    • 発表場所
      東京農大
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] 岩手県にて見いだされたナシ在来品種:'ナツナシ''サネナシ'の香気寄与成分の解析2007

    • 著者名/発表者名
      大江美穂・片山寛則・菅原悦子
    • 学会等名
      園芸学研究第6巻別2
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2007-09-30
  • [学会発表] 山形県飛島のナシの探索と遺伝的多様性2007

    • 著者名/発表者名
      橘美穂・新保幸子・林田光祐・片山寛則・池谷祐幸・山本俊哉・植松 千代美
    • 学会等名
      育種学研究第9巻別2
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-23
  • [学会発表] 在来品種・野生種遺伝資源を研究材料として利用するためには同名異物等の問題を考慮しなければならない。-ナシを例にして-2007

    • 著者名/発表者名
      池谷祐幸・片山寛則・植松千代美・羽生剛・間瀬誠子・澤村豊・高田教臣・佐藤明彦・平林利郎・山本俊哉・佐藤義彦
    • 学会等名
      育種学研究9巻別1
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2007-03-30
  • [備考]

    • URL

      http://www2.kobe-u.ac.jp/~hkata/index.htm

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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