研究課題/領域番号 |
19580035
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮島 郁夫 九州大学, 熱帯農学研究センター, 准教授 (20182024)
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研究分担者 |
尾崎 行生 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (60253514)
小林 伸雄 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (00362426)
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キーワード | ジャカランダ / 花芽分化 / 熱帯 / 花木 / 開花習性 / 鉢物 |
研究概要 |
ジャカランダ(Jacaranda mimosifolia D.Don)はブラジル南部からアルゼンチン北部の乾燥した亜熱帯地域に自生する高木性の花木である。本種は、初夏、青紫色の花を枝先に房状につけ、その美しさからもっとも観賞価値が高い熱帯花木のひとつとされる。近年、日本国内でもジャカランダの接ぎ木苗が生産されるようになり、今後需要の拡大が見込まれる新規な鉢物花木として注目されているが、本種の生理生態的な特性はほとんど明らかにされていない。 一般に、熱帯および亜熱帯性の花木の開花サイクルは、雨季と乾季のない地域では「周年開花型」であり、雨季と乾季が明瞭な地域では「休眠明け開花型」が多いといわれる。ジャカランダの原産地であるアルゼンチンでは、11月から12月にかけて開花するが、花芽分化の時期や要因に関する報告は見当たらない。 本年度は、九州大学農学部構内に植栽されている14年生ジャカランダの発育中庸な枝頂部を定期的に採取してパラフィン切片を作成し、光学顕微鏡による観察から本種の形態的花芽分化期を明らかにした。その結果、4月初旬のサンプルの多くで花芽は未分化だったが、いくつかのサンプルでは茎頂部に花芽に分化する生長点の隆起が観察された。その後、5月上旬に採取したサンプルでは小花を備えた花器が観察され、5月中旬には肉眼で花房が認められるようになり6月初旬には開花した。 以上のことから、北部九州(福岡市)におけるジャカランダの形態的花芽分化は4月初旬に始まり、その後花芽は急速に発達し6月には開花に至ることが明らかになった。
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