研究概要 |
平成20年度は,ブドウ果実から単離した細胞壁分解酵素遺伝子をもとに,組換えタンパクの産生を行うことを中心とした.ブドウ果実の成熟期間のある特定の時期(ベレゾーン)に起こる軟化は,ヘミセルロース中のキシログルカンの分解と低分子化が重要であることを明らかにし,鍵となるキシログルカンハイドロラーゼ活性をもつと考えられるVXET1を単離した.このVXET1の酵素特性を明らかにすること,またブドウ果実由来の細胞壁成分との反応性を調査するためには,組換えタンパクの産生は必要である. 今回,大腸菌系発現システム,酵母系発現システムのいずれを用いてもVXET1の組換えタンパクは産生することカミできなかった.これまでに植物細胞壁分解酵素を組換えタンパクとして産生に成功した報告は少なく,我々も困難であった. しかし,無細胞系発現システムの利用によって,組換えタンパクを産生することに成功した.電気泳動の結果,目的のタンパクの産生が確認できた.しかし酵素活性を有するタンパクではなかった.今後さらに詳細に検討する必要がある.
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