植物の無機窒素源である硝酸イオンは、根で吸収され、道管を介して葉に送られる。硝酸イオンの葉細胞内への輸送は、低親和性硝酸イオントランスポーター(NRT1)が関与すると予測されるが、その証拠はない。本研究では、オオムギで同定されたNRT1(HvNRT1)の機能解明を目的として研究を行い、(1)HvNRT1遺伝子は、地上部・地下部の両方で構成的に発現していること、(2)HvNRT1は細胞膜に発現していること、(3)HvNRT1を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞は、低親和性硝酸イオン輸送活性を持つこと、を明らかにした。これらのことは、オオムギの葉細胞への硝酸イオン輸送にHvNRT1が関与している可能性を示している。
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