研究課題
平成19年度で取得されたHap複合体依存で転写制御される遺伝子群について詳細な検討を加えた。1、平成19年度の研究でリボソーマルタンパク質遺伝子、翻訳開始因子遺伝子などの翻訳関連遺伝子の発現がHap複合体によって一様に抑制されていることが明らかとなったため、これらの遺伝子の転写がHap複合体依存であることをノーザン解析により確認した。2、いくつかのHap複合体依存の遺伝子のプロモーター領域にHap複合体が結合することをゲルシフト法、フットプリント法により解析した。特にHapB/C/Eと相互作用する転写抑制因子HapXとの関係においてDNA結合特性を調べた。一方、リボソーマルタンパク質遺伝子に関してはプロモーターの全てにCCAAT配列が存在するわけではないことから、間接的な抑制機構が推定された。そのため、DNA結合解析は行わなかった。3、取得された遺伝子のプロモーター領域に存在するCCAAT配列が転写制御に関係があることを確認した。Hap複合体依存で転写制御される遺伝子群の代表的な遺伝子、特にHapXによって抑制される遺伝子に関して、プロモーター領域内に存在するCCAAT配列および推定HapX結合配列を破壊し、lacZをレポーターとしてプロモーター活性を調べた。4、以上の結果、Hap複合体はリボソーマルタンパク質遺伝子などの翻訳関連遺伝子を間接的に抑制することが明らかとなった。また、HapXと協調して鉄に関連した酵素(チトクロームc、アコニターゼ、シスアコニターゼ、カタラーゼなど)や鉄の取り込み系の抑制因子SreAの遺伝子の発現を抑制することが明らかとなった。
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Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 72
ページ: 312-320
Applied Microbioligy and Biotechnology 72
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http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~iden/japanese/indexj.html