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2007 年度 実績報告書

酵母キラー蛋白質の感受性細胞浸入機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19580100
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

北本 宏子  独立行政法人農業環境技術研究所, 生物生態機能研究領域, 主任研究員 (10370652)

キーワード応用微生物 / シグナル伝達 / 抗生物質 / キチン合成酵素 / PKC経路
研究概要

本研究では、酵母由来の抗菌蛋白質zymocinが、感受性酵母の細胞表層に結合後、細胞内に毒素サブユニットを侵入させる機構を明らかにする。提案者は、現在、zymocinの侵入過程を次のように推測している。「zymocinのキチナーゼ活性で細胞表層がかく乱されると、細胞表層の再構築が誘導される。その際細胞壁合成酵素が細胞内・表層を循環する。このメンブラントラフィックを利用して、毒素ドメインが細胞内に侵入する。」本研究ではこの仮説を検証するために、zymocin処理をした出芽酵母細胞を用いて、zymocinと細胞壁合成酵素の細胞内局在変化を解析することで、その侵入過程を明らかにする。
細胞のキチン合成酵素Chs3pの局在輸送が、zymocin処理によりかく乱されること、細胞表層のChs3pが細胞内輸送される際に、zymocinサブユニットが細胞内に侵入する可能性を想定している。そこで、平成19年度は、野生株のCHS3遺伝子にGFPを修飾した株を作り、zymocin処理後のzymocinサブユニット局在変化の解析を行った。細胞分画試料の抗GFP抗体によるウエスタン解析で実施したところ、密度勾配遠心で最も重い画分のChs3p量が、zymocin処理によって減少していた。この画分には、ゴルジトランスに局在するKex2pが局在していることは確認できたが、Kex2pはより軽い画分にも分布しており、Chs3p局在の変化は他のオルガネラ膜画分で起きたと考えられる。MPK1は、また細胞表層の再構築の際にCHS3の発現を制御する。mpk1とchs3多重破壊株のzymocin感受性を調べたところ、mpk1単独破壊に比べて強く、chs3遺伝子破壊株と同等の耐性を示し、Chs3pが感受性に重要な役割を果たすことが明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Two Alternatively Spliced Transcripts Generated from OsMUS81,a Rice Homolog of Yeast MUS81, Are Up-Regulated by D NA-Damaging Treatments2007

    • 著者名/発表者名
      Naozumi Mimida, et. al.
    • 雑誌名

      PLANT AND CELL PHYSIOLOGY 48

      ページ: 648-654

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rice Shaker Postassium Channel OsKAT1 Confers Tolerance to Salinity Stress on Yeast and Rice Cells12007

    • 著者名/発表者名
      Toshihiro Obata, et. al.
    • 雑誌名

      PLANT PHYSIOLOGY 144

      ページ: 1978-1985

    • 査読あり
  • [学会発表] カラシナ由来ディフェンシンの抗菌作用に関与する遺伝子の検索2008

    • 著者名/発表者名
      多胡 香奈子, ら
    • 学会等名
      日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      名城大学
    • 年月日
      20080326-29
  • [学会発表] tRNA切断性トキシンに対する出芽酵母の細胞応答の解析2007

    • 著者名/発表者名
      茂松 恵, ら
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20071211-15
  • [学会発表] 出芽酵母におけるカラシナ由来ディフェンシンの抗菌作用に関与する遺伝子の特定2007

    • 著者名/発表者名
      多胡 香奈子, ら
    • 学会等名
      酵母遺伝学フォーラム
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20070911-13
  • [学会発表] 分裂酵母のスフィンゴ脂質の生合成機構と役割について2007

    • 著者名/発表者名
      中瀬 舞, ら
    • 学会等名
      酵母遺伝学フォーラム
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20070911-13
  • [学会発表] tRNA切断性トキシンに対する出芽酵母の細胞応答の解析2007

    • 著者名/発表者名
      茂松 恵, ら
    • 学会等名
      酵母遺伝学フォーラム
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20070911-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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