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2008 年度 実績報告書

出芽酵母ヒストン脱アセチル化酵素の活性制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 19580107
研究機関広島大学

研究代表者

土屋 英子  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (90127671)

キーワードヒストン脱アセチル化 / 転写制御 / クロマチン構造制御 / S. cerevisiae / 減数分裂
研究概要

真核生物の細胞増殖や分化における転写制御に極めて重要な働きを持つヒストンの脱アセチル化酵素(HDAC)が細胞内でどのような活性制御を受けるのかという問題は、生物学的に重要な問題であると同時に有効なHDAC阻害剤開発にも必要である
モデル真核生物酵母を用い、ヒトHDAC1と相同性の高いRpd3-Sin3複合体の細胞内での活性阻害に働く因子を探索することを目的として研究を行った。方法は以下の通りである。HDACによって抑制を受けるIME2のプロモーターの下流にHIS3遺伝子を挿入したレポーター遺伝子はHDACの作用によって発現が抑制されるため、この遺伝子をどう持つhis3株はヒスチジンを欠く最小培地(-His培地)では生育できない。しかし遺伝子量の増加によりHDAC阻害因子を多量に発現させれば生育可能になることが期待される。そこでこのレポーター遺伝子を作製し、RPD3 his5株とrpd7d3△ his3株に導入し検討したが、後者の形質転換体の-His培地での生育が極めて悪く、スクリーニングには適切でないと判断された。そこで、昨年度の研究でIME2と同様のHDACの挙動が確認されたINO1プロモーターでレポーター遺伝子を作製し検討した結果、RPD3の欠損に依存した形質転換体の-His培地での生育が確認できた。そこでこの株に多コピー遺伝子ライブラリーを形質転換して得られた,約30万の形質転換株から19の候補遺伝子を選抜した。これらの候補遺伝子についてRPD3に依存したものであるかをさらに詳細に検討を加えた結果、最終的に2種の候補が得られた。配列解析と遺伝子切り詰め実験の結果これらはRAD53、およびSTT4遺伝子であることを明らかにした。現在、これらが直接的にHDAC阻害に働くかについて検討を加えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Rpd3/HDAC complex is present at the URS1 cis-element with hyperacetylated histone H3.2009

    • 著者名/発表者名
      M. Yukawa, K. Yo, H. Hasegawa, M. Ueno, E. Tsuchiya
    • 雑誌名

      Biosci. Biotech. Biochem. 73

      ページ: 378-384

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A bisaborane sesquiterpenoid endoperoxidase, 3, 6-epidioxy-1, 10-bisaboladiene isolated from Cacalia delphiniiforia possesses anti-tumore activity with the induction of apaptosis2008

    • 著者名/発表者名
      K. Nishikawa, N. Aburai, K. Yamada, H. Koshino, E. . Tsuchiya, K. Kimura
    • 雑誌名

      Biosci. Biotech. Biochem. 72

      ページ: 2463-2466

    • 査読あり
  • [学会発表] 出芽酵母のヒストン脱アセチル化酵素複合体による新たな転写タイミング調節機構2009

    • 著者名/発表者名
      湯川格史
    • 学会等名
      日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] ヒストン脱アセチル化酵素制御因子の探索・日本農芸化学会大会2009

    • 著者名/発表者名
      釜谷 和興
    • 学会等名
      日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] 出芽酵母の転写制御におけるHDACの新たな機能2009

    • 著者名/発表者名
      土屋英子
    • 学会等名
      第26回染色体ワークショップ
    • 発表場所
      姫路市
    • 年月日
      2009-01-28
  • [学会発表] 出芽酵母におけるHDACを介した転写調節機構2008

    • 著者名/発表者名
      楊一幸
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2008-12-09
  • [図書] 微生物増殖学の現在・未来2008

    • 著者名/発表者名
      土屋 英子 (福井作蔵, 秦野琢之編)
    • 総ページ数
      478
    • 出版者
      地人書館

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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