研究概要 |
哺乳動物由来の翻訳開始因子eIF1, elF1A, eIF2, eIF2B, eIF3, eIF4E, eIF4A, eIF4B, eIF4G, eIF5, eIF5B, 翻訳伸長因子eEF1A eEF1Bα, eEF1β, eEF1Bγ,翻訳停止因子eRF1、eRF3、アミノアシルtRNA リボソームサブユニット(40Sと60S)を揃えることができたため、これらを試験菅内で混合し、以下の配列のmRNAを翻訳させた: AUGGACUACAAGGACGAUGACGAUAAGUGUUGCUGUUGCUAG。このmRNAは MDYKDDDDKCCCC という配列のペプチドをコードしている。FLAGという配列にシステインが付加されておりウエスタンブロッテイング(FLAG)と放射性同位元素による(システイン)標識でその合成を検出できるように工夫した。しかしながら、相当するペプチドは検出されなかった。そこで律速段階と考えられる翻訳開始のステップを省いた簡素化したシステムにした。用いたmRNAの配列は gAUGGUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUGUUGCUGUUGCGACUACAAGGACGAUGACGAUAAGであり、アミノ酸配列MvFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFCCCCDYKDDDDKをコードする。80Sリボソームが直接mRNAの先端に結合しやすいように、poly-U配列を持っている。そのため、ポリフェニルアラニンが先導配列として合成されれFLAG-システインに繋がるようになっている。このペプチドの合成はわずかながら認あられたが、全体的にスメアー状になっており、poly-Uの途中から翻訳が開始した産物もある、と推測された。全体としては、3年間で再構成系翻訳システムを構築できたといえる。
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