研究概要 |
〔目的〕連鎖球菌は、肺炎・咽頭炎・敗血症など様々な感染症の原因菌となることで知られている。連鎖球菌のグルタチオン生合成は、γ-グルタミルシステイン合成とGSH合成の二段階の反応が新規のbifunctional enzyme(GCS-GS)により触媒される。グルタチオン合成の阻害は連鎖球菌に酸化ストレスを与え感染や増殖を抑制することが期待される。そこで本研究では、特異的な阻害剤の分子設計支援を目指してGCS-GSのX線結晶構造解析を行った。 〔結果〕シッティングドロップ蒸気拡散法を用い得られたnative結晶についてフォトンファクトリー(PF)ビームラインBL-5AでX線回折実験を行い、到達分解能2.8Åでデータ収集を行った。本結晶は、空間群I4_1、格子定数a=141.5,b=141.5,c=208.2であった。さらに、位相決定を行うため、同様にしてセレノメチオニン変異体を調製し大きさ約300μmの単結晶を得た。セレノメチオニン変異体結晶についてはPFビームラインNW-12で到達分解能3.0Åの回折データを収集し、MAD法による解析を現在進めている。
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