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2007 年度 実績報告書

食品由来フラボノイドによる新しい生理機能としてのレドックス制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 19580132
研究機関山形大学

研究代表者

佐藤 英世  山形大学, 農学部, 准教授 (60235380)

キーワードフラボノイド / レドックス / シスチン / システイン / グルタチオン / アミノ酸トランスポーター
研究概要

これまで抗酸化物質として活性酸素種を直接消去する作用が注目されていたフラボノイドなどの食品由来ポリフェノールには、シスチン・グルタミン酸トランスポーター(xCT)を介した組織や血漿におけるレドックスの制御というこれまでに知られていない機能を有する可能性が推定された。シスチン・グルタミン酸トランスポーターは、内在性抗酸化物質として中心的な役割を担うグルタチオン(GSH)の合成や細胞外のレドックスバランスを維持するのに必須の分子であることが知られている。本研究では、1)食品由来フラボノイドが生体レドックス状態にどのような影響を及ぼすか、2)食品由来フラボノイドによるレドックスバランスの制御は、シスチン・グルタミン酸トランスポーターを介するものか、3)生体レドックスバランスを維持することは生理学的・病理学的にどのような意義があるのか、を明らかにすることを目的として研究を行った。本年度は、ケルセチンやラムネチン等、十数種類のフラボノイドを用い、細胞内GSHがどういう影響を受けるか検討した。その結果、いくつかのフラボノイドには、細胞内GSHを上昇させるものがあり、それらのフラボノイドは、すべてxCT遺伝子の発現を上昇させることが示された。また、フラボノイド添加によりGSHと同様、細胞内システインレベルも有意に上昇した。この時、細胞外システインの濃度も上昇することから、フラボノイドによって細胞内外のレドックスが還元方向に傾くことがわかった。次に、フラボノイドによるxCTの発現上昇機構を調べ、転写因子Nrf2の活性化を介していることを明らかにした。また、構造相関解析により、フラボノイドによるGSH上昇には、B環のカテコール構造とC環の二重結合が重要であることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The cystine/cysteine cycle: a redox cycle regulating susceptibility versus resistance to cell death.2008

    • 著者名/発表者名
      Banjac, A., et. al.
    • 雑誌名

      Oncogene 27

      ページ: 1618-1628

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Induction of cystine/glutamate transporter in bacterial lipopolysaccharide induced endotoxemia in mice.2007

    • 著者名/発表者名
      Taguchi, K., et. al.
    • 雑誌名

      J. Inflammation 4

      ページ: 21-27

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞内グルタチオンレベルに対するフラボノイドの影響とその構造相関2007

    • 著者名/発表者名
      杉本孝幸、他
    • 学会等名
      第61回日本栄養・食糧学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2007-05-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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