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2007 年度 実績報告書

高圧処理による新規ゲル状食品の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19580140
研究機関九州大学

研究代表者

井倉 則之  九州大学, 農学研究院, 准教授 (30260722)

キーワード高圧処理 / ゲル / オボアルプミン / フレーバーリリース
研究概要

オボアルブミン(OVA)を加圧処理したときのゲル化とそのゲルからのフレーバーリリースについて検討を行った。10%OVA溶液は600MPa以上の圧力処理によって自立するゲルを形成した。また10%OVA溶液に1%の塩(NaCl,KCl,MgCl_2,CaCl_2)を添加することによりゲル形成圧力は低下した。ゲル形成以下の圧力処理においては、処理圧力の増加に伴いゲルからのフレーバーリリースは減少した。しかし、ゲル形成以上の圧力では、処理圧力が増加してもフレーバーリリースの変化はわずかとなり、ゲルのテクスチャー(かたさ、付着性、凝集性)との間には明確な相関は認められなかった。この時、ゲルからのフレーバーリリースはそのフレーバー化合物の種類によって異なっており、官能基の種類に関わらず短鎖化合物は長鎖化合物よりも高いフレーバーリリースを示し、長鎖化合物ほどタンパク質マトリックスに捕らえられやすい傾向があった。また、今回試験を行った化合物(アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、テルペン類)の中ではアルデヒド類が最も低いフレーバーリリースを示しており、疎水度だけではなく官能基がゲルからのフレーバーリリースに影響を及ぼすことが示された。さらに同程度のかたさを有するOVAの加圧ゲル(600MPa、5分及び15分間)と加熱ゲル(60℃、30分間及び70℃、20分間)とを比較したところ、加圧ゲルの方が高いフレーバーリリースを示したのに対し、加熱ゲルの方が高い付着性及び凝集性を示した。なお、これらの加圧処理条件において、大腸菌及び酵母は、緩衝液中と同様にOVAゲル中においても6オーダー以上の殺菌効果を有していた。平成20年度も引き続き、ゲルからのフレーバーリリースに及ぼす圧力処理の影響について詳細に検討する予定である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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