研究課題/領域番号 |
19580146
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
渡辺 達夫 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10210915)
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研究分担者 |
古旗 賢二 城西大学, 薬学部, 准教授 (70275105)
守田 昭仁 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (40239653)
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キーワード | 食品成分 / 生理活性 / エネルギー代謝 / TRP受容体 |
研究概要 |
温熱・寒涼性食品から19種類を選び、ヘキサン、酢酸エチル、メタノール抽出物を作成し、分注機能付き蛍光マイクロプレートリーダーであるセルベースワークステーションFlexStationIIを用いてrat TRPV1を異所的に発現させた細胞に対する活性化画分をスクリーニングした。温熱性食品であるネギ属植物、ミョウガ、および寒涼性食品に分類される小麦のヘキサン抽出物に高活性が認められた。小麦ヘキサン画分中の成分の単離・精製をおこない、1-アシルモノグリセロール(MG)が活性成分であることを明らかにした。ネギ属植物のうちタマネギと、ミョウガの活性として1-MGを単離した。ミョウガにはさらに2-MGが活性成分として含まれていた。ついで、1-MGがin vivoでもTRPV1を活性化するかをラット足裏皮下への投与試験から検討し、辛味関連行動を引き起こしたことからin vivoでの活性を明らかにした。また、辛味との相関が知られているラットの目への滴下試験において、1-MGが無辛味であることを確認した。さらに、市販1-MGを用いて、1-MGの構成脂肪酸の種類と活性の関係を調べ、鎖長と不飽和度が活性に影響することを見出した。これらのことから、1-MGはTRPV1を活性化する無辛味食品成分であることが明らかとなった。また、これまでに得ていたヒトTRPA1 cDNAを安定的に発現する細胞系を樹立することができた。次年度はこの細胞を用いて、TRPA1を活性化する食品成分の探索を行う。
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