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2008 年度 実績報告書

植物ポリフェノールと生体成分との分子間相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 19580147
研究機関静岡県立大学

研究代表者

中山 勉  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50150199)

研究分担者 石井 剛志  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (50448700)
内藤 晶  横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (80172245)
キーワードポリフェノール / 脂質膜 / カテキン / HPLC / IAMカラム / 分配係数
研究概要

リン脂質分子を固定相に持つ特殊なカラム(Immobilized Artificial Membrane:IAMカラム)を用いてHPLC分析を行い、その保持時間からポリフェノール類とリン脂質との親和性を簡便に解析できる系を構築し、カテキン類(EC,EGC,ECg,EGCg)及びメチル化カテキン類(EGCg-4'OMe,EGCg-3"OMe,EGCg-4"OMe,EGCg-4',4"diOMe)のリン脂質親和性を数値化した。EGCg-4"OMe及びEGCg-4',4"diOMeは、EGCgをメチル化して合成した。各カテキン類及びメチル化カテキン類についてIAMカラムを用いてHPLC分析し、得られた各ピークの保持時間(t_R)を式K_<IAM>=(t_R-t_0)/t_0に代入して、K_<IAM>値としてリン脂質親和性を算出した(t_0はIAMカラムに保持されない物質の溶出時間)。カテキン4種類の分析の結果、リン脂質への親和性の強さはK_<IAM>値が大きい順にECg>EGCg>EC>EGCとなり、リポソームへの取り込み量やn-octanol/PBS系での分配係数の結果と強い相関を示した。このことより、化学構造の違いによるカテキン類の疎水性の強弱がリン脂質膜への相互作用の違いを決定づけていることが示唆された。しかし、メチル化カテキン類にはカテキン類で見られた相関性が得られなかった。従って、メチル化カテキン類とリン脂質膜への相互作用には疎水性以外の要因(立体構造やリン脂質分子との安定性)も関与していることが推測された。従来のリポソームを用いた系では、実験操作が煩雑であり、多量の試料が必要であったが、本法は少量の試料で簡便にリン脂質膜に対する親和性を測定することが可能であり、他のポリフェノール類や食品成分とリン脂質膜との親和性評価にも応用できると期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Partition coefficients of polyphenols for phosphatidylcholine investigated by HPLC with an immobilized artificial membrane column2008

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Uekusa, Yuko Takeshita, Takeshi Ishii, Tsutomu Nakayama
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 72

      ページ: 3289-3292

    • 査読あり
  • [学会発表] Interaction between tea catechins and biological membranes2008

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Uekusa, Yuko Takeshita, Takeshi Ishii, Miya Kamihira, Shigenori Kumazawa, Akira Naito, and Tsutomu Nakayama
    • 学会等名
      第30回 生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2008-08-07

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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