研究課題/領域番号 |
19580156
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
半田 節子 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 助手 (30360697)
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研究分担者 |
石神 昭人 東邦大学, 薬学部, 准教授 (50270658)
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キーワード | ビタミンC / 老化 / SMP30 / 酸化ストレス / 活性酸素 / カルニチン / アスコルビン酸 / ノックアウト |
研究概要 |
カルニチンはβ酸化によりエネルギー(ATP)を得るため脂肪酸を細胞質からミトコンドリア内に運ぶ重要な因子である。脂肪酸はミトコンドリア膜を通過する前に酵素、カルニチンアシルトランスフェラーゼの作用により細胞質内のアシルCoAがアシルカルニチンへと転換されてから、ミトコンドリアマトリックス内へと膜を通過する。カルニチンはタンパク質中のリシンとメチオニンから生合成されるが、この時ビタミンC(C)が必須といわれている。本研究では、生体内でのカルニチン合成にCが必須であるか明らかにするため、SMP30/GNL遺伝子破壊(SMP30/GNL-KO)マウス及び野生型(WT)マウスを生後40日齢で離乳後、Cとカルニチンを全く含まない餌で飼育した。次に、両マウスを飲料水からC(マウスが1日に必要とするC量:7mg)を与える群[C(+)]と与えない群[C(-)]に分け、75日間飼育した。すなわち、マウス群は(1)C(+)SMP30/GNL-KO、(2)C(-)SMP30/GNL-KO、(3)C(+)WT、(4)C(-)WTマウスの4群である。C&カルニチン欠乏食を与えてから75日目、C(-)SMP30/GNL-KOマウスの大脳、小脳、肝臓、腎臓、ひらめ筋、長指伸筋、心臓、血液中の還元型、酸化型を合わせた総C濃度は、C(+)SMP30/GNL-KOマウスに比べて2%以下であった。C(-)SMP30/GNL-KOマウスでは組織中の総Cがほぼ枯渇状態であったことから、組織中のアシルカルニチン、遊離カルニチンを合わせた総カルニチン量の減少が期待された。しかし、C(-)SMP30/GNL-KOマウスの臓器、血液中の総カルニチン量は予想に反して4群の間で違いはみられなかった。これらの結果は、C欠乏が組織中カルニチン量に影響を与えないことを示している。
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