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2008 年度 実績報告書

捕食性オサムシの生活史形質と個体生態研究による遅れのない密度依存性の機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19580166
研究機関東京大学

研究代表者

前原 忠  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (10251422)

研究分担者 鎌田 直人  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90303255)
キーワードクロカタビロオサムシ / ブナアオシャチホコ / 大発生の終息
研究概要

青森県八甲田標高約650mのブナ林を調査地とした.2007年および2008年の8月上旬にピットフォールトラップを用いて標識再捕法を行い,成虫の個体群密度を調べた.2007年10月下旬に3,4m2および2008年6月中旬に4.0m2の地面を深さ約30cmで掘り返し地中の個体密度を調べた.2007年10月末から11月頭にかけてその年に地中から掘り出したクロカタビロオサムシを1個体ずつ1つの植木鉢(口径18cm,深さ17cm)の底に埋め,32鉢を鉢ごと調査地の地面に埋め込んだ.2008年7月以降にそれらの植木鉢から出現する成虫個体数を調査し,8月頭に全ての鉢を掘り出して鉢の中の状況を調べた.
標識再捕の調査結果からJolly-Sever法を用いて個体群密度を計算した結果,2007年8月上旬は16.3個体/m2,2008年8月は0.035個体/m2となり,密度は1/466に減少した.
2007年10月の掘り出し調査では,全56個体を確認し,うち38個体が生存,18個体が死亡個体であった(全個体密度は16.5,生存個体密度は11.2個体/m2).2008年6月の掘り出し調査では,2個体の生存個体しか捕獲されなかった(生存個体密度は0.5個体/m2).
鉢埋め実験では,2008年7月9日以前に既に5個体が地表に出現しており,その後8月3日までに17個体が地表に出現した.そのうち2個体は地中浅くに再び潜っていた.残りの10個体については全て死亡しており,白い菌糸状のものに包まれているものがほとんどであった.
2007年に土中で羽化した個体のうち32.1%は越冬前(10月下旬)までに死亡した.掘り出し結果から2007年越冬前(10月下旬)から2008年成虫出現期前(6月中旬)までの死亡率は95.5%となり,そのうち病気による死亡率は31.25%,原因不明の消失が64.25%となった.
一方,土中で羽化した個体の密度16.5個体/m2を1000個体として,2008年8月に実際に観測された成虫個体密度0.035個体/m2を比例式で求めると2.12121個体となり,上記表の結果から繁殖参加成虫数の92.5%が地表出現後にその場で繁殖せずに移出したと考えられた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] クロカタビロオサムシ大発生の終息について2009

    • 著者名/発表者名
      前原忠・鎌田直人
    • 学会等名
      日本森林学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] クロカタビロオサムシ大量発生時の越冬状況について2008

    • 著者名/発表者名
      前原忠・鎌田直人
    • 学会等名
      日本土壌動物学会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2008-05-24

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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