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2009 年度 実績報告書

高耐熱性を有するナノコンポジット型構造用集成材用接着剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19580184
研究機関静岡大学

研究代表者

山田 雅章  静岡大学, 農学部, 助教 (20293615)

キーワード耐熱性 / ナノコンポジット / 木材接着 / 架橋 / 構造用集成材
研究概要

水性高分子-イソシアネート接着剤の耐熱性向上を目的とし、そのベースレジンにモンモリロナイトを混合してフィルム物性や木材接着性能の評価を行った結果、以下の知見が得られた。
1各ベースレジンとモンモリロナイト(MA)を撹拌混合すると水溶液およびエマルジョンの粘度が上昇した。X線回折においてMAの層間隔の広がりが確認された。MAを添加したPVAの動的粘弾性は、ガラス点移転付近での急激な弾性率の低下が緩和され200℃における貯蔵弾性率は未添加系の約43倍の高い値を示し、耐熱性の向上が確認された。EVA、SBRにおいてもMA添加による高温度域のE'の上昇が確認されたが、PVAほどの効果が見られなかった。PVAの100℃における接着性能は、MA添加系で高い値を示し、耐熱接着性能の向上が確認された。
2MA添加系モデルAPIの動的粘弾性は、CACO_3の25分の1の添加量にも関わらず、その超微細分散能と絡み合い効果により高温度域でCACO_3添加系よりも高い弾性率を保持し、架橋密度も高い値を示した。フィルムの溶出率は、水、アセトン溶出率の低いSBRの導入量が多い系や、架橋密度の高いもので低い値となった。MA添加フィルムは、MA自身が高い吸湿能を有するため吸湿率は高い値となったが、pMDIを添加し架橋構造を形成することで、充填剤未添加系と同程度まで低下した。木材接着試験では、MA、CaCO_3添加系で耐熱、耐水、耐煮沸接着性能の向上が見られた。MA添加PVAでは常温接着性能の低下が問題となったが、常温で軟らかいEVAやSBRと混合することでMA添加系の常温接着性能は改善された。MAの添加量がCaCO_3の25分の1であったことを考慮すると大きな効果が得られたと言える。
以上のことより、MA添加量やPVAの導入量を増やすなとベースレジンの配合比をより検討していくことで、さらに高い耐熱接着性能を発現する可能性があると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] モンモリロナイトを添加したポリビニルアルコールの物性と木材接着性能2009

    • 著者名/発表者名
      吉澤央隆, 山田雅章, 滝欽二
    • 雑誌名

      日本木材学会誌 55

      ページ: 85-91

    • 査読あり
  • [学会発表] Physical properties and wood bonding performance of model API with addition of montmorillonite2009

    • 著者名/発表者名
      H.Yoshizawa, M.Yamada, K.Taki
    • 学会等名
      The third asian conference on adhesion (ACA2009)
    • 発表場所
      Hamamatsu, Japan
    • 年月日
      2009-06-07

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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