研究概要 |
木造建築物, 特に古刹の改修・改築等における部材(古材)再使用の可否については熟練大工の目視と経験により決定しており, 強度安全性に関する科学的検証は行われていない. これに関して研究代表者は, 部材中を伝播する応力波の速度を測定することにより部材のヤング率を推定する方法を新しく開発した. 古寺院の解体修理において, 構造部材の応力波伝播速度を測定し, 開発した方法を用いてヤング率を推定した. この結果をもとに古材の再利用により建物を再建するという実績を残した. 新開発の方法は密度測定を必要とせず, 現場における容易で正確な測定が可能な応力波伝播速度のみを用いてヤング率を安価ですばやく正確に推定することができる画期的な方法である.
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