磁気浮遊天秤法を用いて温度40〜180℃、相対湿度20〜90%RHの範囲でスギ材の吸着等温線を得た。一定相対湿度での含水率と温度の間には、どの相対湿度の場合にも直線関係が成り立ち、任意の温度、相対湿度での含水率を求める関係式が得られた。また、吸着等温線の形状は温度の増加とともにIUPACの分類でII型からIII型に移行した。吸着水をHailwood-Horrobin式により水和水と溶解水に分離すると、温度の増加につれて、溶解水は緩やかに減少するのに対して水和水は大きく減少し、180℃付近ではどの相対湿度においてもほぼ溶解水のみとなった。また、横圧縮変形の回復度について得られている時間-相対湿度換算則について、移動因子-相対湿度関係は、同じ相対湿度でも温度が異なると大きく異なっていたが、移動因子-含水率関係に変換すると同じ含水率では温度によらず同じ移動因子となることがわかり、移動因子-相対湿度図で現れていたばらつきは測定誤差ではなく本質的なものであることが明らかとなった。
|