研究概要 |
木材を乾燥する際に生じる割れの発生挙動をアーティファクトの影響なく、細胞レベルで経時的に可視化する方法を開発するために、木材の含水率に左右されずに観察可能な共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)の利点に着目し、木材ブロック試料を設置する雰囲気の環境制御法を確立することで、乾燥に伴う割れの発生挙動を3次元的な細胞レベルの変化に時間軸を加えて4次元的に可視化する方法を検討した。 21年度の研究成果は以下の通りである。 ○マイクロクラックの形態変化と抵抗率との関係 高抵抗率計を導入したその場観察システムを使って,スギの辺材を対象に,観察面における抵抗率の経時変化と関連づけたマイクロクラックの経時的な形態変化を可視化した。その結果,乾燥開始後,試料の平均含水率は急激に低下するが,試料表面の抵抗率は変化せず,その後ある時点で抵抗率が上昇し,マクロクラックが発生することが明らかになった。一方,心材では初期含水率,抽出成分がマイクロクラックの発生時期に大きく関与することが明らかになった。これら一連のマイクロクラック発生挙動について,経時的な動画としてビジュアル化することができた。
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