先ず、水分の吸収と放出作用においてバイオマス融合型ポリウレタン(PU)フォームがオガクズ(SD)類似機能を持つことを確認し、生ゴミと馬糞をコンポスト化出来る可能性を明らかにした。実際に馬糞あるいは生ゴミモデルとして、カニガラ廃棄物とを混合してSD系とPU系の各種コンポストを製造し、得られたPU系コンポストとSD系コンポストの植物(コマツナ)の成長に及ぼす影響について研究した。コマツナの種子の発芽試験を行いPUの毒性を調べた。SDとPUコンポストのどちらも発芽率に悪い影響を及ぼさなかったので、 PUプラスチックから発芽抑制物質は生成しなかったと考えられる。最終的に得られたPUコンポストを土壌と混合してプランターに入れ、各種実験植物を栽培して、植物の生長に及ぼす影響について調べた。 特に、 PU系カニガラを用いたPU系とSD系コンポストは共に馬糞コンポストより大きな成長効果をもたらした。従って、 PUのコンポスト化による悪影響はほとんどないものと結論した。難分解性のPUなどの廃棄物をコンポスト化することによって土壌改良材に資源変換することができることが期待される。しかし、バイオトイレを用いた馬糞コンポスト化実験においては、コンポスト化が不十分であったためか、芝生用のイタリアングラスをのぞき、良好な結果は得られなかったので再度検討する必要がある。また、本研究成果は第4回欧州バイオレメデイエーション国際会議で口頭発表した。
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