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2007 年度 実績報告書

サケ科魚類の成長を司る血中インスリン様成長因子結合蛋白の同定

研究課題

研究課題/領域番号 19580198
研究機関北海道大学

研究代表者

清水 宗敬  北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 講師 (90431337)

キーワードサケ科魚類 / 成長 / ホルモン / インスリン様成長因子 / 結合蛋白 / cDNAクローニング
研究概要

魚類を含む脊椎動物の成長には、インスリン様成長因子(insulin-like growth factor, IGF)-Iが重要な役割を果たしている。しかし、IGF-Iの生理活性は6種類のIGF結合蛋白(IGF-binding protein,IGFBP)によって厳密に調節されている。これらのIGFBPの機能はタイプにより異なるが、大まかにIGF-Iを介した成長の「促進型」と「阻害型」に分けられる。サケ科魚類の血中には少なくとも3種類のIGFBPが検出されるが、それぞれがどのタイプに相当するのかは非常に混乱している。本研究はこれらのIGFBPの同定を行い、機能解析を行うことを目的としている。本年度は、サケ科魚類の血中IGF-Iの主要な運搬役であり、成長の「促進型」と考えられている41kDaのIGFBP(41KBP)のcDNAクローニングを行った。精製41KBPのN末端部分アミノ酸配列を元に縮重プライマーを設計し、肝臓から調製した一本鎖cDNAを鋳型にPCR行った。得られたcDNA断片の配列を元に遺伝子特異プライマーを再設計し、RACE法(Rapid Amplification of cDNA Ends)により全長cDNAを得た。その演繹アミノ酸配列から、41KBPは哺乳類においては「阻害型」とされるIGFBP-2であることが分かった。これまで41KBPは成長の「促進型」であるIGFBP-3と考えられていたため、次にサケIGFBP-3のcDNAクローニングを行った。他の動物種で保存されている配列を元に縮重プライマーを設計し、上と同様の方法で5末端を含むサケIGFBP-3のcDNA断片を得た。その配列を41KBPと比較したところ、両者は異なることが確認された。これらの結果から、サケ科魚類の41KBPは、従来考えられていたIGFBP-3ではなくIGFBP-2であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Response of the salmon somatotropic axis to growth hormone administration under two different salinities2007

    • 著者名/発表者名
      Munetaka Shimizu
    • 雑誌名

      Aquaculture 273

      ページ: 320-328

    • 査読あり
  • [学会発表] サケ学(Salmon Science)に関する考察2007

    • 著者名/発表者名
      清水宗敬
    • 学会等名
      第1回サケ学研究会
    • 発表場所
      北海道大学(函館)
    • 年月日
      2007-09-24

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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