研究課題/領域番号 |
19580205
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
海野 徹也 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (70232890)
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研究分担者 |
長澤 和也 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (40416029)
小路 淳 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (10397565)
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キーワード | クロダイ / 広島湾 / 卵 / 仔魚 / 初期生活 / モノクローナル抗体 / 稚魚 / サーフゾーン |
研究概要 |
本年度は研究計画に従い、クロダイ卵や仔魚の同定方法を確立し、広島湾における卵や稚魚の分布および生息密度を調べた。 1.エタノールに固定しなクロダイ受精卵を抗原として、クロダイ受精卵を認識するモノクローナル抗体を得た。産卵期および卵径が重複するマダイ、イシダイ、ヒラメの受精卵を用いて単抗体によるスクリーニングを行ったところクロダイ卵のみ陽性反応を示した。また、クロダイのミトコンドリアDNA調節流域前半部を標的とした種特異的プライマーを開発した。このPCR反応はクロダイ属のみに有効であり、PCR産物の有無により仔魚や稚魚の同定が可能となった。 2.浮遊卵の採集を広島湾に19調査点を設け、NORPACネットを用いて表層水平曳き(約2kt、5分)で行った。調査期間は2007年5月8日〜7月10日で、計10回の調査を行った。単抗体法を用いて卵同定を行った。クロダイ卵は計62,799個に達した。卵の平均密度は5月22日に最大21.08個/m^3を記録したが、その後減少し、7月10日には0.05個/m^3となった。19調査地点での平均卵密度は大黒神島北部で70.73個/m^3、西能美島西岸で21.88個/m^3、大須瀬戸で18.76個/m^3となり、その他の地点は0.00〜8.87個/m^3であった。 3.広島湾とその島嶼部において、二人曳きの小型曳き網による稚魚採集を、2007年6月5日〜7月31日に計8回、毎回15地点で行った。調査期間中、合計839尾の稚魚を採集した。採集尾数は6月下旬から増加したことから、広島湾沿岸では主に6月下旬から稚魚の着底が始まると考えられた。15地点における稚魚の採集尾数は調査地点間で異なり、期間を通じて稚魚が最も多く採集できたのは厳島(宮島)北西岸の530尾、次いで似島大黄湾の153尾であり、その他の地点では40尾以下であった。
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