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2008 年度 実績報告書

放流トラフグの種苗性向上のための行動学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19580209
研究機関長崎大学

研究代表者

阪倉 良孝  長崎大学, 水産学部, 准教授 (20325682)

研究分担者 崎山 一孝  (独)水産総合研究センター, 瀬戸内海区水産研究所, 主任技術開発員 (90426312)
キーワードトラフグ / 放流 / 種苗性 / 行動 / 馴致
研究概要

天然トラフグ稚魚と,同サイズの人工種苗の行動特性の定量・比較を通じて,放流種苗の種苗性評価の手法として,新規環境に晒されたときの稚魚の遊泳水深が有効で,種苗性の高い個体や天然稚魚は底層を泳ぐことが明らかとなった。
飼育中に捕食者を提示した場合,種苗が新規環境に晒されたときに底層遊泳をする場合と表層遊泳をする場合に完全に二分された。表層遊泳をする個体とそうでない個体を同時に,捕食者の居る天然水域を模したメソコスムに放流すると,表層遊泳をする個体が多く被食を受けた。
これを受けて,人工種苗が放流後に底層を遊泳しないのは,飼育時に底質のない水槽で飼育されているために,放流後に底質を認知できないのではないかという仮説を立てた。そこで,水槽底面に砂を敷いた水槽とそうでない水槽で人工種苗を1週間馴致飼育した結果,砂を敷いた水槽で馴致した人工種苗は移槽後に底層を遊泳することが明らかとなり,さらに捕食者の居る環境に放流したところ,砂馴致種苗が生残率の高い傾向が見られた。
以上のことから,底質への馴致と捕食者の提示という方法で,トラフグ人工種苗の放流後の行動を制御し,種苗性を高める可能性のあることが示された。
さらに,天然トラフグ稚魚がフグ毒を蓄積していることに着目し,試験的に無毒の人工種苗にフグ毒を投与したところ,新規環境に晒した場合に底層遊泳をする個体が出現し,これらの個体が被食に遭いにくいという予備知見を得ることが出来た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] フグ毒のトラフグ稚魚に対する作用- 1 : フグ毒の組織内動態2009

    • 著者名/発表者名
      角南慶卓, 高谷智裕, 佐藤哲哉, 阪倉良孝, 中安純一, 山崎英樹, 崎山一孝, 谷山茂人, 荒川修
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] フグ毒経のトラフグ稚魚に対する作用-2 : 対捕食者行動に対する影響2009

    • 著者名/発表者名
      中安純一, 山崎英樹, 角南慶卓, 佐藤哲哉, 崎山一孝, 阪倉良孝, 高谷智裕, 萩原篤志
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] フグ毒のトラフグ稚魚に対する作用-3 : フグ毒の中枢神経内の蓄積2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤哲哉, 阪倉良孝, 池田光壱, 高谷智裕, 角南慶卓, 中安純一, 山崎英樹, 崎山一孝, 荒川修
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2009-03-29
  • [備考]

    • URL

      http://feis.fra.affrc.go.jp/event/h20seika_happyoukai/h20seika_houkoku.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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