研究課題/領域番号 |
19580212
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉田 照豊 宮崎大学, 農学部, 准教授 (20240294)
|
研究分担者 |
伊丹 利明 宮崎大学, 農学部, 教授 (00363573)
|
キーワード | Lactococcus garvieae / Streptococcus dysgalactiae / ブリ属養殖魚類 / 疫学研究 / 薬剤感受性 / ファージ型 |
研究概要 |
ブリ属魚類養殖場における新型および旧型レンサ球菌感染症の疫学的研究を行った。旧型レンサ球菌(Lactococcus garvieae)の薬剤感受性を調査すると共にファージ型を明らかにし、近年の旧型レンサ球菌に新しい遺伝型、ファージ型および薬剤感受性に特徴のある菌株が増加していることを明らかにした。これらの菌株は、ブリ属養殖魚類以外の養殖魚からも分離され増加していること明らかにした。これらの菌株の平板上での特徴として、莢膜が光学顕微鏡でも認められた。養殖魚以外の宿主から分離されるLactococcus garvieaeと魚類由来株の比較を遺伝的に調査した。その結果、ブリ属魚類以外の菌株とブリ属魚類由来株は明確に異なることを明らかにすると共に、他宿主由来の菌株はブリに病原性がないことを示した。 ブリ属養殖魚類由来の新型レンサ球菌(Streptococcus dysgalactiae)は、畜産動物由来のS.dysgalactiaeとその遺伝型が異なると共に、SodA遺伝子に違いが認められ、その違いを基に両者を識別できるプライマーを設計した。このプライマーで、PCRで容易に両者を識別できることが可能となった。また、薬剤感受性調査を行ったところ、養殖場において用いられる薬剤のほとんどに感受性を示したが、テトラサイクリンには耐性を示し、耐性遺伝子であるtetM遺伝子を、耐性株は保有していた。また、新型レンサ球菌は、細胞付着性が強く、培養細胞に付着した。これらの性状(疎水性が強い)を利用した選択培地(コンゴーレッド寒天培地)を開発し、自然感染魚および実験感染魚より、選択培地の応用を検討した。その結果、選択培地が有効であり養殖場において利用可能であることが判明した。
|