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2007 年度 実績報告書

トラフグ属魚類のAFLP及びmtDNA解析による雑種判別手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19580229
研究機関独立行政法人水産大学校

研究代表者

酒井 治己  独立行政法人水産大学校, 水産学研究科, 教授 (80399659)

研究分担者 高橋 洋  独立行政法人水産大学校, 生物生産学科, 助教 (90399650)
松浦 啓一  独立行政法人国立科学博物館, 標本資料センター, コレクションディレクター (70141984)
キーワードフグ目 / トラフグ属 / ミトコンドリアDNA / 種判別マーカー / 雑種 / ベイズ法 / 系統分類
研究概要

ミトコンドリアDNA全塩基配列に基づき,フグ目すべての系統を代表する種及びフグ目に近縁と目される系統を代表する硬骨魚種,合計44種の系統類縁関係を,ベイズ法によって推定した.その結果,フグ目は単系統群であることが明らかとなった.このことは,多様な形態及び生態を示すフグ目が自然分類群であることを強く支持した.また,これまでフグの姉妹群としてニザダイ亜目,マトウダイ目,アンコウ目などが候補とされていたが,このたびの結果では,姉妹群はアンコウとヒノダイ亜目であることが判明した(論文発表).フグ目の中では,従来認められていたギマ上科,モンガラカワハギ上科及びフグ上科の単系統性は支持されなかった.そのかわり,ギマ科,モンガラカワハギ科,カワハギ科,フグ科,ハリセンボン科及びマンボウ科のクラスターと,ハコフグ科ベニカワムキ科及びウチワフグ科のクラスターが,高い事後確率で認められ,高次分類再検討の必婆性を示唆した(投稿中).さらに,日本近海から得られるトラフグ属15種について分子系統関係を推定したところ,本属ににもっとも近縁なものはシッポウフグ属であること,及びトラフグ属内の遺伝的類縁が極めて近縁であることが明らかとなった.このことはトラフグ属が単系統群であることと同時に,東シナ海を中心とした海域で急速に多様に分化したことを示している(学会発表1).近縁ではあるものの,それぞれの種は明瞭に異なる塩基配列を有しており,雑種ではない限り,適切なプライマーを設計することにより種識別マーカーを作成することが可能であろう.また,トラフグ属4種について,人工授精による種苗の発育過程を調べ比較した(学会発表2).このたび調査したミトコンドリアDNAは母系マーカーで,雑種については母系のみ判定が可能である.これからは,AFLPマーカーの分析を行ない,核遺伝子に基づいた判別マーカーを検索する必要がある.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Phylogenetic position of tetraodontiform fishes within the higher teleosts : Baysian inferences based on 44 whole mitochondrial2007

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Yamanoue
    • 雑誌名

      Molecular Phylogenetics and Evolution 45

      ページ: 89-101

    • 査読あり
  • [学会発表] トラフグ属4種の初期発育2008

    • 著者名/発表者名
      土井啓行
    • 学会等名
      平成20年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] Rapid radiation and speciation of Takifugu species in marine waters of East Asia : Another use of the fugu, Takifugu rubripes as a model.2008

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Yamanoue
    • 学会等名
      International Symposium of Systematics and Diversity of Fishes
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-03-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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