研究概要 |
トラフグ属について,昨年度に引き続き,AFLP解析により雑種解析を行なった(口頭発表2).その結果,各種は明瞭に識別できたが,解析にムシフグを加えたところ,本種とコモンフグとの遺伝的差異は,他種と比較して小さかった.解析したほとんどの個体(47個体)が雑種第一代であったが,一個体トラフグとマフグの戻し交配個体と考えられるものが出現した.一貫して種判別の可能なAFLPマーカーに基づき,種及び雑種判別システムを構築するため,それを特異的に増幅するプライマー開発に向けて研究を継続中である.ショウサイフグの繁殖と成長の記録を他のトラフグ属4種と比較した(口頭発表1).日本沿岸からタキフグTakifugu oblongusを初めて記録したので報告した(論文1).放流トラフグが産卵親魚となって回帰し自然繁殖に参加しているかどうかを継続的に調査し,放流種苗親魚,放流回帰魚,及び発生当歳魚間で家系分析を行なった.栽培漁業センター生まれの放流魚が確実に自然当歳魚生産に貢献していることが確かめられたが,学会発表等公表には至らなかった.
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