研究概要 |
バカガイ及びサラガイ保存組織から全DNAまたはRNAを抽出し、cDNAを合成した。バカガイ中腸腺のカルバミラーゼIのN末端アミノ酸配列および内部配列5種、サラガイ晶桿体のスルホカルバミラーゼ1の内部配列5種から縮重プライマーをそれぞれ合成した。バカガイ中腸腺由来cDNA及び全DNAを鋳型として25通りのプライマーの組み合わせでPCR反応し、3種の組み合わせでのみ増幅産物が得られたが、塩基配列を解析したところいずれも目的とする配列ではなかった。次にバカガイ中腸腺由来のcDNA合成の際にSMART PCRcDNA Synthesis kitを用いてアダプター付加cDNAを合成し、縮重プライマーとorigodTプライマーでのPCRを3通り行ったが明瞭なバンドは得られなかった。さらに同cDNAを制限酵素RsaI処理しアダプターを連結させたcDNA断片を鋳型とし、アダプター配列の外側と内側の配列からそれぞれ設計したプライマーとカルバミラーゼ1のN末端及び内部配列2種(分子量1637,1715のペプチドのN末端)の外側と内側の配列から設計した縮重プライマーでnestedPCRしたところ、明瞭な増幅断片(約600bp,900bp及び800bp)が検出された。今後塩基配列解析に供する予定である。
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