研究概要 |
(1)タイ及びブリ肉にβ-カロチンを0.1%、0.3%、0.5%に添加した試料を4℃で貯蔵し、0日目、3日目、7日目におけるHHEとMAの含量を測定した。コントロールはHHEとMAの生成はほとんど経時的な変化はみられなかった。それに対し、β-カロチンを添加した試料は、コントロールと比較してHHEとMAの生成が促進された。β-カロチンは生体外では脂質過酸化を促進する結果となった。 (2)ブタ肉にβ-カロチンを0.1%、0.3%、0.5%に添加した試料を4℃で貯蔵し、0日目、3日目、7日目におけるHNEとMAの含量を測定した。魚肉同様コントロールはHNEとMAの生成はほとんど経時的な変化はみられなかった。しかしながら,β-カロチンを添加した試料は、コントロールと比較してMAの生成は促進されたが,HNEの生成を抑制する傾向を示した。 (3)昨年行ったNaCl添加冷凍貯蔵実験の結果に疑問があったブタ肉について,再度NaClを1.0、および2.0%添加後,試料を-20℃で貯蔵し,4週間間隔で20週までHNEおよびMA含量の変動を調べた。HNE含量は全ての試験区で4週目から12週目にかけて有意に減少し、1%及び2%NaCl添加区はいずれも12週目から20週目にかけて有意に増加した。20週目において、2%NaCl添加区のHNE含量は対照区のそれに比べ有意に高かった。 (4)魚肉及び豚肉のマイクロウェーブ加熱実験を行った。HHEまたはHNEおよびMA生成に関して魚肉と畜肉間に明瞭な差は認められなかった。また,HHEおよびHNE生成には組織中に存在する酵素および結合組織の強さが関与する可能性があることが強く示唆された。 (5)ブタ肉のα-トコフェロール添加試験を行ったが,明確な結果が得られなかった。
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