今年度は、引き続き収集済みの1996-2006年の家計パネルデータの分析を継続した。 さらに、本研究で新たに実施する予定である「環境保全型稲作技術導入」の実験の準備のため、12月にはインドを訪問し、まずインド統計研究所において共同研究者のP.Banik氏と打ち合わせを行った。実験的に導入する技術の候補について詳細に検討し、その結果System of Rice Intensificatlon(SRI)と呼ばれる稲作農法を実験的に導入することを決定した。具体的な介入の内容や、そのタイミング、介入前の家計調査についての打ち合わせ、調査対象の村の選定、調査対象家計のサンプル数やその選定方法、などについて詳細に検討した。新技術の導入に当たっては、その知識が村内で以下に伝搬するかを検証するため、村を単位として「介入村」と「対照群の村」をランダムに選定すること、実際の介入活動に当たっては、地元のNGOの協力を得ること、介入の前後に家計調査を行うこと、などを決定した。 また、試験的に導入する対象地域である西ベンガル州の農村を数箇所訪問し、家計調査の質問票の決定、家計調査実施の手順などについて打ち合わせなどを行った。
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