年度当初の計画通り、SRI(System of Rice Intensification)と呼ばれる稲作新技術(マダガスカルにおいて1980年代に開発された稲作技術で、田植えの際の稲の数を少なめにしかつ植える苗の間隔を大きめにとること、水田を常に潅水状態に保たずに、適宜水をぬくこと、などにより、収量を大幅に増加させる可能性が報告されている。)による稲作実験圃場を設定した農家・圃場を訪問し、戸別訪問による農家家計調査を行った。 調査対象家計は、SRI農法導入実験の実験圃場の設営以前の時点で実施したベースライン家計調査の対象として各村からランダムに抽出された家計を再訪問することにより実施した。具体的な調査項目としては、家族構成と家計構成員に関する個人属性(年生、性別、教育水準、職業等)、保有資産、保有農地とその属性、稲作に関する詳細な情報(肥料、薬品等各種投入物の使用量、各種作業種別-田植え、施肥、除草、収穫等--の労働力投入量、賃金率、収穫量)、周辺農家との間での耕作技術やその他農業に関する情報交換の実態、SRI実験圃場に関する知識や、現時点でのSRI農法に関する評価、将来的にSRI農法を採用する意向の有無、将来的にSRI農法を採用する際に必要な条件、等の項目を含む。調査の実施に際しては、地元西ベンガル州デブラ県に本拠を置<NGO、Chaplin Club(代表者:Rabindra Nath Pandit氏)に委託し、インド側の共同研究者である、インド統計研究所研究員Pabitra Banik氏が適宜調査の執行をモニターする形で実施した。
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