今年度は、引き続き収集済みの1996-2006年の家計パネルデータの分析を継続するとともに、インド統計研究所(ISI)の共同研究者との間で、共同論文の打ち合わせを行った。 さらに、SRI(System of Rice Intensification)と呼ばれる稲作新技術(マダガスカルにおいて1980年代に開発された稲作技術で、田植えの際の稲の数を少なめにしかつ植える苗の間隔を大きめにとること、水田を常に潅水状態に保たずに、適宜水をぬくこと、などにより、収量を大幅に増加させる可能性が報告されている)による稲作実験圃場を15箇村において(昨年度に引き続き)設定し、それら実験対象村におけるSRI農法による増収効果の評価を行った。乾季作の時期にあわせるため、不破が12月にインド統計研究所(ISI)及び調査対象地を訪問し、介入実施後のフォローアップ家計調査の打ち合わせ等を行った。不破の帰国後は、ISI側カウンターパートにより、実験農場における稲作についてのデータ収集が引き続き行われた。昨年度のSRI圃場においては、天候不順による影響や田植え時期の遅れ等のために、一部の村においては十分な増収効果が得られなかったが、今年度は、ほとんどの村において、ほぼ当初の予想通りのSRI農法による増収効果が確認された。 また、実験圃場を設定した15カ村において、それぞれの村からランダムに抽出された20世帯の農家に対して、SRI農法に関する評価や意識調査を行った。
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