研究課題/領域番号 |
19580254
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
菊地 香 琉球大学, 農学部, 助教 (30325831)
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研究分担者 |
平良 英三 琉球大学, 農学部, 助教 (20433097)
中村 哲也 共栄大学, 国際経営学部, 講師 (80364876)
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キーワード | NIR / 品質管理 / マーケティング / 経営戦略 / 消費者意識 / バイオマス / 基幹作物 / 亜熱帯島嶼 |
研究概要 |
平成20年度の研究計画は、「(1)生産者の組織化および産地形成に関した研究、(2)生産者の経営意識に関した研究、(3)マンゴーの品質についてNIRによる非破壊品質評価と食味調査を通じた品質評価システムの構築、(4)マンゴーの的確な栽培技術の確立、(5)生食用パインアップル農家の生産継続の可能性および販売形態に関した研究、(6)JAおよび流通業者の販売促進の充実、(7)消費者の沖縄県産品の認知」の7つの研究課題について分析を進めた. 1.生産者に関連して(研究課題(1)、(2)、(4)、(5)) 沖縄本島北部のマンゴー産地及び石垣島のパインアップル産地に対して、販売戦略を中心とした経営意識に関した調査を実施した.マンゴー農家においては個々の農家がそれぞれに販売することが多く、統一的な販売戦略をとることがないことがわかった.パインアップル農家についても組織的な販売や的確な技術の構築ができていない.結果的に永続的な利益の追求に至つていないことがわかった. NIRによる品質評価はサトウキビが先駆的である.生産者や製糖工場によって作りあげられている品質管理システムに関する成果を国際学会のワークショップで報告した. 2.消費者の品質評価及びNIRによる品質に関連して(研究課題(3)、(7)) NIRで糖度を計測した後に食味調査を本島北部の海洋博記念公園内(アーウィン)と琉球大学学園祭(緑熟タイプのキーツ)で実施した.マンゴーは糖度でブランド化を推進しているが、糖度が高いものが高い品質であると回答者は認識していないことがわかった.別の要因によって回答者は品質の高低を判断していることがわかった.また消費者の県産品の認知は地域差があることがわかり、県産品が消費者の中に十分に浸透していないことがわかった. 3.流通業者の販売促進に関して(研究課題(6)) 沖縄県のパインアップルは沖縄本島北部と八重山地区で栽培されている.八重山地区の石垣島は、JA系統販売を利用する農家は少なく、個別に顧客販売している農家が多い.通常、個々の農家が集まって産地化するが、JAはパインアップルを集荷して産地化できず、JAの販売促進が機能していないことがわかった.石垣島には輸送体系に問題点が多々あり、産地化して規模の経済を利用した組織的な販売ができていない.組織立った販売促進は形成されていない.
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