研究概要 |
本研究の20年度は,昨年度の大規模アンケート調査の結果を受けて,激甚地震フードシステムの構築のための,平均的な姿を離れて,より詳細で個別の事例について研究をアンケート調査によって行い,家庭内での食料備蓄への態度の分析を行った。 研究方法は,薪興団地と開発の古い団地を選定し,比較するというもので,具体的には,仙台市北西部の泉区泉ビレッジ館連合町内会と南西部の太白区人来田学区連合町内会の2つを選定した。いずれの地域も防災への関心は高いが,館地区は比較的新しく開発された住宅地域で,平均年齢も若い団地であり,一方,日本平地区は,昭和40年代半ばごろに開発された住宅団地で,住民の平均年齢の高い団地である。 (1)泉ビレッジ館連合町内会 配布2332世帯,回収757世帯(回収率32.5%)平均年齢51歳。地元のスーパーとは災害時の食料提供協定を結んでおり,そのこと自体には肯定的な意見が多いが,認知度は低い。また,障害者に対する「自助」には限界があり地域的な取組みとしての「公助」を求める声が多かった。 (2)人来田学区連合町内会 配布1875世帯,回収863世帯(回収率46.0%)平均年齢62歳。モードが65〜69歳。避難所の場所は4分の3の人が知っているものの,山がちな地形に立てられた団地のため,自力では避難所に避難できないとする者が約2割いた。このような者を助けるために「共助」の役割が求められている。
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