本研究では、中山間地域における「小さな自治」(地域自治組織)の機能と性格の解明を行い、今後の発展条件を明らかにした。事例分析から、「小さな自治」では(1)特産品開発や店舗経営等の経済活動を含め総合的な活動を行い、(2)「小さな自治」と集落は補完関係にあり、集落の守りの自治に対して「小さな自治」は攻めの自治を担当する特質を有していた。しかし、多くの組織は任意組織であり、NPO法人の選択も見られるが、それは組織の性格からして必ずしも適合的でない。そのため、このような性格に対応した新たな法人格などの制度政策の整備が求められる。
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