研究概要 |
1. 玄手川本川の近自然工法について (1)植生:水路底面積に占める水草面積の割合(植被率)は、施工前は67%であった。施工後6年目で72%となりその後この極相状態を保っている。11年目の2007年は76.2%であった。 (2)トミヨ:捕獲調査による水草当たりの生息密度は、施工前2.3匹/m^2であったが、施工後8年間は0.2〜3.0匹/m^2と変動している。8年目の2007年は1.7匹/m^2であった。 (3)堆砂:2001〜2007年にわたる堆砂深調査の結果、平均堆砂深は1〜2cmであった。 (4)流速分布:水路断面の流速分布を2004〜2007年にわたり観測した結果、全水草領域内の平均流速は、水の領域内の平均流速のほぼ0.3倍であることが明らかとなった。 2. 玄手川生態系保護区について トミヨ:解放領域におけるマーキング法を用いてトミヨの水草当りの推定生息密度を求めたところ、施工直後の2001〜2004年の間2.6〜5.9匹/m^2で、施工前2.3匹/m^2の約1.6倍であった。施工後8年目の2008年は8.2匹/m^2と大幅に増えていた。 3. 1,2より近自然水路工法と生態系保護区(ワンド)を組み合わせたミチゲーション手法の効果が確かめられた。
|