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2009 年度 実績報告書

深層土壌中における水および硝酸性窒素の動態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19580288
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

久保田 富次郎  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農村環境部・水環境保全研究室, 主任研究員 (30414460)

キーワード水文 / 水理地質 / 地下水汚染 / 深層地質 / 脱窒菌
研究概要

最終年度は,昨年度に引き続き,ボーリング調査で採取した不攪乱深層土壌コアを用いた分析を行うと共に,その取りまとめを行った.また,鹿児島県鹿屋市の地下水観測井戸において地下水の水文水質調査を行った.不攪乱深層土壌コアを用いた試験では,粒径分布,仮比重,比重,土壌水分特性曲線,飽和・不飽和透水係数,pF,溶質の分散係数について水理地質を構成する代表層位を対象として測定し,これまでに測定された化学性や生物特性と合わせて取りまとめを行った.その結果として主要帯水層の飽和透水係数を見ると,入戸火砕流堆積物層(シラス層)で10^-3~10^-4cm/s,大隅降下軽石層で10^-2cm/s前後であったが,下部の礫層の一部についてはコアサンプルの採取ができず測定できなかった.さらに,不透水基盤をなす四万十類層群のコアサンプルの測定も通常の試験器では困難であった.また,化学性について全炭素含量の鉛直分布をみると,表層付近(0~2.4m)で1.6~6.8%と比較的高いのに対してシラス層~大隅降下軽石層中では0.01~0.17%と低く,さらに基盤岩では0.03%であった.また,旧表土であったと考えられる有機質砂質シルト層では,GL-72mの位置にあるにもかかわらず3.6%と高かった.全窒素についても同様の傾向であったが,アンモニア性窒素含量では,旧表土やその下位のシルトや砂層(1.4~1.9mg/100gDW)において,表層から大隅降下軽石層における含量(0.0~0.3mg/100gDW)より多かった.
また,地下水観測井における水質観測を数度にわたって試みたが安定した観測ができなかった.これは,地下水の採水法に問題があったことと,層内における地下水の鉛直混合等による撹乱の影響が強いこと等が理由と考えられた.今後,地下水観測法の改良や未評価の層位の特性把握等が課題として残された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 多腐植質厚層黒ボク土畑における硝酸態窒素の移動遅延2009

    • 著者名/発表者名
      田中正一, 古江広治, 前田守弘, 久保田富次郎, 脇門英美
    • 雑誌名

      鹿児島県農業開発総合センター研究報告(耕種部門) 3

      ページ: 63-71

  • [学会発表] 南九州シラス台地の異なる畑土壌における施肥窒素の溶脱特性2009

    • 著者名/発表者名
      肥後修一, 田中正一, 久保田富次郎, 脇門英美, 松元順
    • 学会等名
      平成21年度 九州農業研究発表会土壌肥料部会
    • 発表場所
      佐賀大学(佐賀県)
    • 年月日
      2009-10-01
  • [学会発表] 鹿児島県肝属川流域の水・窒素循環把握のための深層土壌・地質および水質調査2009

    • 著者名/発表者名
      久保田富次郎, 橋本知義, 田中正一, 脇門英美, 高橋努, 人見忠良, 濱田康治, 白谷栄作
    • 学会等名
      平成21年度農業農村工学会全国大会講演要旨集
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県)
    • 年月日
      2009-08-05

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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