研究課題
近年対応が迫られている農用エンジンの排出ガス規制や燃費低減化への対応技術として、内燃機関、発電機、バッテリ、コントローラ、電圧変換機、及び電動モータから構成されるレンジエクテンダ方式ハイブリッドシステム搭載の農作業車輌を開発した。本車の特長は、機体の低重心化をはかるため、機体下・左右の走行車輌の間に密閉式鉛電池(12V、60Ah)を4個搭載したこと、このため転倒角42.4°と低重心化できたこと、伝動機構を簡略化するため、トラクタの車輪にホイール・イン・モータ(190W×2個)を装着したことである。本車は長い航続距離が要求される場合は、エンジン発電機により電力を補いながら走行できるレンジエクスレンダ方式である。本シスステムは、シーケンサにより、次の4つの機能を搭載した。(1)発電機駆動用ガソリンエンジン(2.8kW)、発電された電力を蓄電するバッテリ、エンジン停止状態でもバッテリの電力で走行用モータを駆動する走行駆動システム、(2)搭載バッテリの充電は、発電機で発電された電力または商用電源から供給される電力とを選択できると共に、バッテリ電圧降下時には自動で充電開始するシステム、 (3)発電機によって発電力された電力を外部へ取り出して電動作業機等を駆動する電力供給システム、 (4)走行開始、前・後進切換え、モータ回転速度調整、緊急停止等を行う走行機能スイッチである。平坦な土道上で走行性能を調べた結果、無積載・車速0.28m/sで消費電力800Wであり、搭載バッテリ(容量2880W)のみでの一充電走行距離は3.6kmであった。エンジン発電機使用してのハイブリッド走行では、発電機から480W供給されるためバッテリから消費される電力は320Wとなり、一充電走行距離は9.0kmとなった。充電時間は7時間で100%充電できる。作業機使用に対しては、走行電力をバッテリのみで供給する場合、2.8kWの作業用電力が使用できる。
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農業機械学会関西支部報 第103号
ページ: 34-37
Proceedings of the International Agricultural Engineering Conference, IAEC2007, Bangkok, THAILAND Ref.305(CD-ROM)