研究概要 |
自然状態の1.5倍のオゾン濃度環境を人工的に保持したコムギ畑および水田(E-O3)と非制御で自然状態のコムギ畑および水田(A-O3)で, 2シーズンにわたって微気象観測と植物生理生態観測を行い, オゾン濃度の影響を組み込んだ気孔コンダクタンス(gs)モデルを構築した. モデルにはJarvis型の式を用い, 累積O_3投与量が増加するにつれてgsが低下するプロセスが再現できた. E-O3とA-O3で植物体表面温度(T_s)と気温(T_a)の鉛直分布を測定した. 両区で比較した結果, 高度によって温度差に違いはあるがE-O3におけるT_sの方が1℃前後高く, T_aも最高で0.5℃前後高かった. この結果から, オゾン影響の蓄積によるgsの低下が温度上昇につながることが明らかにできた.
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