研究概要 |
農作業の実態を記録し正確な農作業データを蓄積するため沖縄県南部地域のサトウキビ圃場の地番,面積等をデータベース化した。データベースは作業日誌等を端末からデータ入力することもできるが,位置情報が記録できるGPS機能付き携帯電話等を用いて農作業データが記録できる機能を有するように開発した。データベースサーバにはサトウキビ生産法人の経営管理に必要な事項をデータベーステーブルとしてあらかじめ用意し,データベースを生産法人が経理・運営の管理に利用できるようなものとした。利便性を考慮し,法人管理に用いる基本的データ(農地台帳,作業日誌,運行日誌など)はブラウザで出力できるようにした。つぎに沖縄本島南部地区のサトウキビ生産法人での農作業の実態を調査し,生産法人が所有する農業機械を用いた農作業記録をデータベースに入力した。経営安定対策の対象要件はサトウキビ生産の基幹作業である耕起・整地,株出し管理,植え付け,収穫の4作業の内のいずれか1作業を委託する必要がある。従って経営安定対策では生産法人における受託作業が増加すると考えられるので,収集したデータから生産法人での受託作業の現状を分析した。 その結果,調査対象とした地域では,現状では地域の18%のサトウキビ圃場の作業を受託していることがわかった。将来,受託作業が増えた場合,このサトウキビ生産法人は地域の約35%のサトウキビ圃場の受託作業を担うことができることが明らかとなった。
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