研究概要 |
農業生産法人などの受託作業による農作業の実態を詳細に記録したデータベースを構築し,作業内容の分析を行った。農作業をデータベース化することにより,生産法人等の機械や作業者の配置などの運営・管理が,勘と経験に頼るものから数値データに基づく合理的なものに転換が可能となる。本年度の研究では全地球測位システム(GPS)による農作業記録装置により,前年度に沖縄県南部地域でサトウキビの収穫作業等の農作業データを収集したのに引き続き,沖縄県北部地域で農作業データ収集を行った。収集したデータを用いて地理情報システム(GIS)上の圃場地図と関連付けを行い,農作業データベースを構築した。受委託で行われている収穫作業の詳細な分析を行うため,刈り取り作業の実作業時間,圃場内旋回時間,圃場間移動時間等を記録し,圃場毎の刈り取り作業能率を求めた。このとき作業機のエンジン回転数から作業機の作業状態(収穫,旋回,路上走行など)を推測することが可能であるとわかった。また,これらの結果をGISで分布図として表示することができた。圃場毎の刈り取り収量,サトウキビの糖度のデータをデータベースに付け加えることで刈り取り作業能率とサトウキビ単位面積当たり収量等との関係を分析することができた。農作業のモデル化の研究に関しては,沖縄県北部地区の農作業データを用いて,モデルによる作業の最適化のシミュレーション結果との比較を行いその妥当性の検証方法を検討した。
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