研究概要 |
LEDの色配合比を赤:青=1:1,2:1,1:2の3種類を用いて,トマト苗に水ストレスを与えた状態で生育させた場合,トマトの生長に違いが表れた。水ストレスだけを与えた場合は,およそ25日ほど貯蔵しても苗の生長量は20mmくらいであったが,本葉の枚数はあまり制御できず,はじめの状態から4〜5枚ほど新しく出てきていた。しかし,水ストレスに加えて色を違えて保存を行った場合は,大きさは30mmほど生長したが,本葉の数は2〜3枚ほど新しく出現するにとどまっていた。これは,トマト苗が本葉の数で7枚〜8枚ほどの所に花を着生することから,大変重要なことである。つまり,水ストレスだけを与えた場合は,花芽が生育し始める本葉の枚数に達しており,その時点で強い水ストレスを与えると,花の着生に大きく影響し,株によっては花が着生しないものも存在した。また,水ストレスをかけた場合の色配合ごとに生長量を比較すると,赤:青=1:2と赤:青=2:1の間には,常時光照射の場合で5%有意水準で有意差が存在し,12時間の日長照射の場合では,1%で有意差が認められた。このように,水ストレスをかけた状態で,照射する光の波長を制御して苗を保存することにより,およそ4週間ほどは,十分苗の良い状態を保ったままで苗として保持できることが分かった。また,光合成速度を計測する,と日長制御の苗ほどその速度は速くなり,常時照射のおよそ4倍に達することが分かった。
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