研究概要 |
苗に与える給液量は総量(養液+苗+容器の質量)を管理し,苗が萎れない限界点で保持しながら,次のような条件区で実験を行った。 常時照射区(24h照明)と日長照射区(明期12H,暗期12H)のそれぞれに(1)LED2:1区,(2)LED1:1区,(3)LED1:2区の6区とHPS区(日長照射のみ)を設け,恒温恒湿庫内温度25℃,湿度40%,平均PPFD20μmol/m^2/sで実験を行った。 その結果,給水量の差はほとんどなく,消費量では常時照射であるか日長照射であるかの差が現れた。当然日長照射の方が少なく,常時照射の60%ほどの消費量であった。 生長量を見ると,常時照射の方が同じ配色では生長しているが,LED1:2区はともに生長が抑制されており,他の区と1%または5%の有意水準で有意であり,配色による影響が示された。本葉の段数の増加もLED1:2区が最も少ない1つであった。養液の消費量をみると,LED赤区の消費量が最も少なく,生長量の多い区が消費量も多いわけではないことが分かった。 消費量をx軸に取り,生長量をy軸にとって,それぞれの区で両者の関係を調べた結果,両者間には各区で1%以下の危険率で高い相関関係が得られた。これらの関係式から,消費量が少なくても大きく育っているのはLED赤区とLED1:1区であることが判明した。HPS区では苗が大きくなるにつれて,消費量が増加していることが分かった。その他の区では,水分の管理が多少ラフでも生長を抑制できることが分かる。 光合成量を計測した結果,色による影響とは考えにくいが,結果的にLED2:1区では常時照射でも日長照射でも二酸化炭素要求量が小さくなる結果になった。
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