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2007 年度 実績報告書

土壌の乾燥程度、蒸発量、水濡れを1つの安価な測器で計測する手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19580302
研究機関独立行政法人農業技術研究機構

研究代表者

黒瀬 義孝  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 近畿中国四国農業研究センター・暖地温暖化研究近中四サブチーム, サブチーム長 (80355651)

キーワード土壌水分 / 蒸発 / 測器 / ポーラスカップ
研究概要

ポーラスカップを用いて、土壌の乾燥程度と蒸発量を測定する測器を開発した。開発した測器はポーラスカップと透明の塩ビ管(長さ1m、φ13)を接着しただけの構造で、塩ビ管内に水を満たした後にシリコン栓をして測定する。この測器を土中に挿せば土壌の乾燥程度、空中に吊せば蒸発量が測定できることを明らかにした。ロットによってポーラスカップの透水性は異なったが、土壌水分計および蒸発計としての計測には影響しなかった。土壌水分計としての特徴は以下の通りである。土壌がポーラスカップの空気侵入値(pF2.7)以上に乾燥すると、ポーラスカップを通して測器内部に空気が入り、塩ビ管上部に空気の層ができた。1日当たりの空気層の増加は、土壌が乾燥するほど大きくなった。また、この測器では土壌の乾燥程度に応じた空気層厚が日々積算された。この点は、土壌のpF値や体積含水率の瞬時値しか測定できない従来の土壌水分計と大きく異なる特徴である。また、土壌中に水が供給されると、空気層厚は0付近に戻った。これは、測器内部の空気は真空に近く、測器内の負圧により土中の水を測器内部に取り込むためであった。蒸発計としての特徴は以下の通りである。蒸発量はポーラスカップを通して蒸発した水量をポーラスカップの表面積で割ることにより求めた。小型蒸発パンの蒸発量と比較した結果、気温が低くなるほどこの測器で測定した蒸発量が多くなった。ポーラスカップ蒸発計と小型蒸発パンの蒸発量の比は夏季で1.0程度であったが、冬季は1.9程度となった。蒸発量の比が気温に体存することを利用し、ポーラスカップからの蒸発量を日平均気温で補正することにより、小型蒸発パンの蒸発量を±10%の誤差で推定できた。ポーラスカップ蒸発計は日々の蒸発量の積算値が測定される。そのため、1日当たりの蒸発量は前日の指示値(水位)との差から求めることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Development of soil moisture meter using air infiltration characteristic of porous-cup2008

    • 著者名/発表者名
      黒瀬義孝
    • 学会等名
      農業気象国際シンポジウム
    • 発表場所
      海峡メッセ下関
    • 年月日
      2008-03-21
  • [学会発表] ポーラスカップを利用した蒸発計の試作と蒸発パンとの比較2008

    • 著者名/発表者名
      黒瀬義孝
    • 学会等名
      日本農業気象学会
    • 発表場所
      海峡メッセ下関
    • 年月日
      2008-03-21
  • [学会発表] ポーラスカップを利用した蒸発計の開発2007

    • 著者名/発表者名
      黒瀬 義孝
    • 学会等名
      日本農業気象学会中国・四国支部大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2007-12-08

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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