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2008 年度 実績報告書

牛乳ラクトフォリンの強力なヒトロタウィルス感染阻害作用の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 19580309
研究機関岐阜大学

研究代表者

金丸 義敬  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50111795)

キーワードロタウィルス / 腸管感染症 / ラクトフォリン / タンパク質 / 糖鎖 / 食品 / 牛乳 / プロテオースペプトン
研究概要

ヒトロタウィルスは乳幼児に重篤な下痢症を引き起こす病原体であり、途上国では年間およそ60万の死者、先進国でも毎年多数の入院患者をもたらす原因となっていることから、有効な感染防御法の確立がグローバルな検討課題となっている。本研究では、ヒトロタウィルス感染を強力に阻害する作用を示す牛乳ラクトフォリン(LP)の構造とウィルス感染阻害機能の相関を分子レベルで明らかにすることを目的としている。
本年度はHeparinアフィニティークロマトグラフィー及び尿素含有バッファーを用いたゲルろ過によるLP28K/LP18Kの個別分取方法を確立し、LPが示す阻害活性に修飾糖鎖が関与するかどうかについて検討し、以下の結果を得た。
■ LP18K/LP28Kの分画: Heparinアフィニティーカラムによりカラム吸着画分(heparin-BO)を回収した。LP18KとLP28Kの両方のラクトフォリンを含む画分を得るのにこの方法が有効であることを確認した。
■ LP18KとLP28Kの分取: 6M尿素含有バッファーを用いたSuperdex75ゲルろ過クロマトグラフィーを用いたラクトフォリンめ精製を行い、二つの溶出画分(F1とF2)を得た。F1にはLP28K、F2にはLP18Kが主として含まれることを二次元電気泳動で確認した。両者の抗ウィルス活性については現在詳細に検討中である。
■ 阻害活性への糖鎖の関与: N-Glycosidase Fを用いてN型糖鎖の除去を行った。Con Aレクチン反応性よりN型糖鎖除去を確認したheparin-BOについて中和活性を調べた結果、阻害活性を失うことを確認し、ウィルス感染阻害作用の発揮にはN型糖鎖が不可欠であると結論した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 牛乳α-ラクトアルブミン及びβ-ラクトグロブリンによる腸感染のコントロール2008

    • 著者名/発表者名
      稲垣瑞穂, 他
    • 雑誌名

      ミルクサイエンス 56

      ページ: 131-136

    • 査読あり
  • [学会発表] 牛乳ラクトフォリン28K及び18Kの単離とそれらのヒトロタウィルス感染阻害活性2009

    • 著者名/発表者名
      稲垣瑞穂, 他
    • 学会等名
      日本農芸化学会2009年度大会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] ヒトロタウイルス感染阻害活性を示す人乳乳清糖タンパク質2009

    • 著者名/発表者名
      希吉爾, 他
    • 学会等名
      日本農芸化学会2009年度大会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] 牛乳ラクトフォリンの示すヒトロタウィルス感染阻害活性における糖鎖の関与2008

    • 著者名/発表者名
      稲垣瑞穂, 他
    • 学会等名
      第5回ウィルス学キャンプin湯河原
    • 発表場所
      ウェルシテイ湯河原
    • 年月日
      2008-07-29
  • [学会発表] 牛乳ラクトフォリンの示すヒトロタウィルス感染阻害活性における糖鎖の関与2008

    • 著者名/発表者名
      稲垣瑞穂, 他
    • 学会等名
      第72回日本生化学会中部支部例会
    • 発表場所
      岐阜大学医学部
    • 年月日
      2008-05-24
  • [学会発表] 牛乳ラクトフォリンの示すヒトロタウィルス感染阻害活性における糖鎖の関与2008

    • 著者名/発表者名
      稲垣瑞穂, 他
    • 学会等名
      第7回感染症沖縄フォーラム
    • 発表場所
      沖縄県青年会館
    • 年月日
      2008-02-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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