(1)鶏腫瘍壊死因子様リガンド(TL)1A融合蛋白質の血中投与による鶏脾臓、肝臓における前炎症サイトカイン、インターロイキン(IL-1βIL-6、TL1A、インターフェロン(IFN)-γ発現変化と後炎症性サイトカイン、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)とシクロオキシゲナーゼ(COX2)発現変化を検討した。脾臓と肝臓のIL-1βとIL-6及びTL1A mRNA発現は、対照区と比較して鶏TL1A投与時で高かった。脾臓でのIFN-γ mRNA発現量上昇が見られたが、肝臓でのIFN-γ発現は対照区とほぼ同程度であった。鶏TL1A投与により、脾臓、肝臓のiNOSmRNA発現の有意な上昇が見られた。シクロオキシゲナーゼ発現は、脾臓において、鶏TL1A投与によって有意な発現上昇が見られた。以上、炎症応答関連因子mRNA発現に特に脾臓において影響を及ぼすことから、鶏TL1Aは、特に炎症応答において、哺乳動物のTNF-α機能を代替する因子であることが示された。 (2)鶏で抗炎症作用が確認されている栄養素であるグリシン給与よってLPS投与時のTL1A mRNAの発現低下が確認された。これらのことから、本研究でクローニングしたTL1Aは炎症および代謝応答を調節する機能分子である可能性を示した。
|