研究課題/領域番号 |
19580326
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
ACOSTA T.J. 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (80379718)
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研究分担者 |
奥田 潔 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40177168)
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キーワード | ウシ / 繁殖 / 発情周期 / 内分泌 / 黄体 / 子宮 / プロスタグランジンF2α / サイトカイン |
研究概要 |
【目的】ウシにおいて、黄体退行時に大量の免疫細胞が流入することが知られており、免疫細胞より産生されるサイトカイン(腫瘍壊死因子;TNF、interferonγ;IFN)が黄体退行機構に関与することが示されている。また、一酸化窒素(NO)がウシ黄体細胞のプロジェステロン(P4)分泌を抑制すると共にアポトーシスをも誘導することが示されており、ウシ黄体退行機構におけるNOの重要性が明らかにされつつある。過去の報告において、TNFおよびIFNがマウス乳腺細胞のNO合成を刺激すること、炎症現象として考えられている排卵時に卵胞内膜細胞のNO合成量の増加することが示されている。これらのことから、サイトカインとNOが黄体退行機構において密接に関与することが考えられるが、その詳細は明らかではない。本研究では、黄体内で最も高いNO合成能を有する血管内皮細胞におけるNO合成調節機構を明らかにする目的で、2種類のNO合成酵素(誘導型;iNOS、血管内皮型;eNOS)mRNA、タンパク発現およびNO合成に及ぼすTNFとIFNの影響について検討した。さらに、ウシ黄体由来血管内皮細胞は、黄体により多量に合成されるステロイドホルモンであるP4およびエストラジオール17β(E2)に常に晒されており、これらのホルモンから何らかの影響を受けることが示唆されることから、iNOSおよびeNOSタンパク発現に及ぼすP4およびE2の影響についても併せて検討した。 【方法】ウシ中期黄体(排卵後8-12日)より単離した血管内皮細胞を、10%子牛血清を含む培養液でコンフルエントに達するまで培養した。その後、0.1%BSAを含む培養液に交換すると同時にTNF(2.9nM)、IFN(2.5nM)、E2(10nM)またはP4(3.2μM)を添加し、さらに24時間培養を継続した。培養終了後、培養上清中のNO合成量をGriess法により測定するとともに、血管内皮細胞中のiNOSならびにeNOS mRNA発現を定量的RT-PCRで、タンパク発現をEIAにより検討した。また、細胞数の指標としてDNA量をDNA assayにより測定するとともに、サンプルのタンパク量をprotein assayにより測定した。 【結果および考察】培養したウシ黄体由来血管内皮細胞において、TNFはiNOS mRNAおよびタンパク発現を有意に増加させた(P<0.05)。IFNはiNOSタンパク発現を有意に刺激した(P<0.05)。しかし、eNOS mRNAおよびタンパク発現に及ぼすサイトカインの影響は認められなかった。また、TNFおよびIFNはともにNO合
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